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あしあと

    血液・凝固線溶検査

    • [公開日:2022年4月4日]
    • [更新日:2024年6月9日]
    • ID:221

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    検査紹介

    血液・凝固線溶検査とは、炎症で増加する白血球、貧血で減少する赤血球、悪性腫瘍や血栓で減少する血小板などの血液細胞の検査や、出血および血栓症の原因や病態把握、脳心血管障害時の治療に用いられる治療薬の効果を判断するために必要となる蛋白質の検査です。

    血液検査

    白血球・赤血球・血小板などを測定し、さらに白血球を好中球やリンパ球などに自動的に分類します。
    自動で分類できない場合は、標本を作製し臨床検査技師が顕微鏡で観察を行い最終的な結果を報告します。感染や炎症、貧血、出血傾向の有無がわかります。

    血球算定検査

    白血球数

    生体防御機能や免疫機能を示す細胞です。炎症性疾患、感染症や白血病などの血液疾患で異常値になります。

    赤血球・ヘモグロビン(血色素)・ヘマトクリット

    体内に酸素を運ぶ細胞です。貧血や多血症が推測できます。

    MCV(平均赤血球容積)・MCH(平均赤血球血色素量)・MCHC(平均赤血球血色素濃度)

    赤血球数・ヘモグロビン(血色素)・ヘマトクリットから計算で求められ赤血球1個あたりの大きさや血色素量がわかることで貧血の鑑別が出来ます。

    血小板数

    止血の役割を持つ細胞です。出血傾向がないかを調べる検査の1つです。

    網赤血球数

    幼弱な赤血球です。骨髄で赤血球を造っているかを調べる検査です。

    白血球分類・血液像検査

    自動血球計数装置により白血球を5種類の細胞に分類します。さらに、標本を作製し顕微鏡下で観察し白血球・赤血球・血小板などの細胞を細分します。
    細菌性感染症、ウイルス感染症、アレルギー反応、血液疾患などの情報を得ることができます。

    好中球

    細菌などの異物を認識し好中球の中に取り込み殺菌する機能を持っています。

    リンパ球

    免疫機能の中心的な役割を担い、ウイルスや細菌などや体内で生じる不必要な物質に対する排除機能を持っています。

    単球

    異物を細胞内に取り込んだ後に破壊・殺菌作用を示し、さらに異物を貪食・処理しリンパ球に手渡すことにより免疫機能を促進させる機能を持っています。

    好酸球

    アレルギー疾患の発病に深く関与し、好酸球から放出される物質により組織が侵害される作用を持っています。また、寄生虫に対する殺菌機能もあります。

    好塩基球

    アレルギー反応に関与し、刺激に対し好塩基球に含まれるさまざまな物質を放出します。

    血球計測装置の画像

    血球計数・血液塗抹・標本作製装置
    DxH801(DxH800+SMS)

    血球計数装置
    DxH800

    *同一機種2台(血球計測装置)によるフルバックアップ体制を図っています

    血液像検査の画像

    凝固・線溶検査

    外傷により出血が起こると、血管、血小板、血漿成分等の相互作用で血管損傷部位に血栓が作られ止血機能が働きます。また、血栓形成や血液凝固が過剰に進行すると血液循環に障害が起こるのを防ぐため、血栓形成の促進と抑制が繰り返され凝固・線溶系を調整し止血と循環を保持します。この凝固・線溶系に不具合があると止血異常をきたします。
    手術前検査や血栓症の治療に使用する抗凝固薬のモニタリングに使用されています。

    凝固検査

    プロトロンビン時間(PT)

    出血傾向のスクリーニングやワルファリンなどの経口抗凝固療法のモニタリングをする検査です。

    活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)

    出血傾向のスクリーニングをする検査です。血友病Aや血友病Bの診断にも必要な検査です。

    フィブリノゲン

    血液凝固因子の一つであり肝臓で作られています。急性炎症や悪性腫瘍などでも増加します。

    ビタミンKを必要とする凝固因子の働きを調べる検査です。また、ワルファリンなどの経口抗凝固療法のモニタリングをする検査です。
    トロンボテストより鋭敏に肝実質細胞の合成能を反映し、肝臓合成能障害、ビタミンK欠乏状態のスクリーニング、重症度判定、経過観察に有用です。

    アンチトロンビンテスト

    アンチトロンビンの欠乏は過凝固状態を引き起こしやすくなるため、産生と消費のバランスを見るための検査です。

    線溶検査

    フィブリン・フィブリノゲン分解産物(FDP)

    播種性血管内凝固症候群(DIC)や肝疾患などで高値になります。

    Dダイマー

    播種性血管内凝固症候群(DIC)や肝疾患、血栓性疾患などで高値になります。

    血液凝固自動分析装置の画像

    血液凝固自動分析装置
    CP3000

    *同一機種2台によるフルバックアップ体制実現により、機器トラブル時の結果報告遅延などの対策をとっています

    その他

    赤血球沈降速度

    組織の崩壊や炎症で亢進し、全身状態の把握に有用な検査です。

    赤血球沈降速度が亢進する原因として、赤血球、アルブミンの減少やγグロブリン、フィブリノゲンの増加が考えられます。

    ヘモグロビンF

    低色素性貧血の鑑別や遺伝性疾患を疑う時、造血器腫瘍疾患の病態把握の補助的検査として行います。

    お問い合わせ

    南和広域医療企業団南奈良総合医療センター臨床検査部