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あしあと

    消化器病センター

    • [公開日:2020年5月8日]
    • [更新日:2024年4月30日]
    • ID:50

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    概要

    【診療方針】

    消化器病センターは、2016年4月に消化管(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸)疾患、肝胆膵疾患を総合的に診断・治療することを目的に設立されました。南和地域医療圏は高齢者も多く、消化器疾患の比率が高く、緊急処置対応が必要となる地域でもあります。『南和の医療は南和で守る』の基本理念に従い、地域住民が安心して満足いただける医療を目指して消化器内科、外科(消化器・総合)、放射線科が円滑な連携を行い、良質な医療を提供していきたいと考えております。


    【センターの特徴】

    (1)消化器疾患の緊急対応:

    救急センターとも連携し、緊急内視鏡治療、緊急外科的手術、IVR(画像下支援治療)など365日24時間対応できるようオンコール体制を含め取り組んでおります。

     

    (2)患者個々に即した標準的かつ高度医療の提供:

    高度な医療機器を用いた精度の高い診断を行い、食道・胃・大腸ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)や内視鏡的胆道ドレナージ術や胆管結石除去術などの良・悪性疾患に対する内視鏡治療や、超音波下でのRFA(経皮的ラジオ波焼灼術)などの内科的肝がん治療、腹腔鏡を含めた外科手術、IVR治療、全身化学療法などの連携による標準的かつ高度な専門医療を行っております。また、当センターの医師は奈良県立医大各科医局より派遣されており、関連病院でもあるため奈良県立医大附属病院とも連携しております。

     

    (3)他科との連携診療:

    消化器内科、外科(消化器・総合)、放射線科と週に一度、定期的に合同カンファレンスを開催し、診断や治療など症例検討を行っております。また月に一度、病理部とともに消化器病理カンファレンスを開催しております。これらのカンファレンスや日頃の親密な他科連携により、円滑に診断・治療を行うことができます。


    【対象となる疾患】

    当センターでは、消化器疾患全般の診断・治療を行っております。治療方法として、内視鏡治療、超音波治療、全身化学療法、腹腔鏡下を含む外科手術、IVRの中から最適な治療を選択、組み合わせ実施しております。また、内科・外科・放射線科での合同手術なども症例によっては行っております。

    ・上部および下部消化管疾患診断における内視鏡(EUS:超音波内視鏡、EUS-FNA:超音波内視鏡下穿刺吸引法)検査、小腸カプセル内視鏡検査など。

    ・上部・下部消化管出血に対する内視鏡治療(高周波凝固、クリップ、HSE局注、APC:アルゴンプラズマ凝固、EVL:内視鏡的静脈瘤結紮術など)、IVR(動脈塞栓術などの血管内

    治療)、外科的手術での緊急止血術を行っております。

    ・食道・胃・十二指腸・大腸腫瘍に対する内視鏡治療(EMR / Polypectomy、ESD)、外科的手術。

    ・肝悪性腫瘍に対する総合画像診断、RFA(経皮的ラジオ波焼灼術)やTACE(経皮的動脈化学塞栓術)、外科的手術などの集学的治療。

    ・胆道疾患(胆管がん、胆嚢がん、硬化性胆管炎、総胆管結石など)に対する総合画像診断や内視鏡的病理診断(胆管細胞診、生検組織病理診)、外科的手術、内視鏡的治療(内視鏡的胆道ステント留置術、EPLBD:内視鏡的乳頭ラージバルーン拡張、胆道鏡下EHL:電気水圧衝撃波などの結石除去術など)、経皮的IVR(PTCD:経皮的胆管ドレナージ、PTGBD:経皮的胆嚢ドレナージ)などの集学的治療。

    ・膵疾患(膵管がん、NETなどの腫瘍、IPMN・MCN・SCNなどの嚢胞性疾患、自己免疫性膵炎など)に対する総合画像診断や内視鏡的病理診断(EUS-FNA)、外科的手術、内視鏡的治療、経皮的IVRなどの集学的治療。

    ・緊急疾患(消化管出血、消化管穿孔、急性腹症・腹膜炎、イレウス、急性胆嚢炎・胆管炎、急性膵炎など)

    ・PEG(経皮内視鏡的胃瘻造設術)が困難な症例に対して、LA-PEG(腹腔鏡下PEG造設術)を外科と内科合同で実施しております。


    実績

    診療実績

    1)内視鏡関連手技件数:

    1)内視鏡関連手技:

    EGD(上部消化管内視鏡)、EUS(超音波内視鏡)、EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引法)、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)、EVL(内視鏡的静脈瘤結紮術)、PEG(経皮内視鏡的胃瘻造設術)、全大腸内視鏡(TCS)、EMR(内視鏡的粘膜切除術)/Polypectomy(内視鏡的ポリープ切除術)、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)関連手技、RFA(経皮的ラジオ波焼灼術)                                                 

    1)内視鏡関連手技件数

     

    2021年度

    2022年度

    2023年度

    2024年度

    2025年度

    上部消化管内視鏡EGD

    3958

     3851

     

     

     

    EUS(食道・胃・十二指腸)

    89

     64

     

     

     

    EUS-FNA(胃)

    1

     3

     

     

     

    ESD (食道)

    3

     1

     

     

     

    ESD(胃)

    38

     45

     

     

     

    EVL

    10

     3

     

     

     

    PEG

    19

     22

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    下部消化管

    大腸内視鏡TCS

    1416

     1330

     

     

     

    ESD(大腸)

    13

     18

     

     

     

    EMR/Polypectomy

    (大腸)

    524

     513

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    ERCP関連手技

    165

     170

     

     

     

    EUS(胆膵)

    14

     13

     

     

     

    EUS-FNA(膵など)

    4

     6

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    小腸カプセル内視鏡

    1

     2

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    RFA

    5

     10

     

     

     

    エコー下肝生検

    9

     3

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    緊急内視鏡 total

    427

     373

     

     

     

    緊急上部消化管

    202

     192

     

     

     

    緊急下部消化管

    151

     100

     

     

     

    緊急ERCP関連手技

    74

     81

     

     

     

    2)消化器領域外科手術件数:

    消化器領域外科手術件数

     

    2021年度

    2022年度

    2023年度

    2024年度

    2025年度

    食道

    4

     1

     

     

     

    20

     33

     

     

     

    十二指腸・その他

    12

     4

     

     

     

    小腸

    8

     4

     

     

     

    大腸

    82

     124

     

     

     

    肝臓

    12

     8

     

     

     

    胆道(胆嚢、胆管)

    73

     73

     

     

     

    膵臓

    4

     3

     

     

     

    その他:ヘルニア/虫垂炎/イレウスなど

    164

    156 

     

     

     

    3)消化器画像診断件数:

    消化器画像診断件数

     

    2021年度

    2022年度

    2023年度

    2024年度

    2025年度

    上部消化管造影

    11(術前)

    225(健診)

     14(術前)、256(健診)

     

     

     

    下部消化管造影

    5(術前)

     1

     

     

     

    腹部CT(泌尿器・生殖・骨軟部を除く)

    4976

     7377

     

     

     

    腹部MRI(泌尿器・生殖・骨軟部を除く)

    507

     642

     

     

     

    4)放射線画像下治療(IVR)件数:

    放射線画像下治療(IVR)件数

     

    2021年度

    2022年度

    2023年度

    2024年度

    2025年度

    (1)血管内治療

    61

     74

     

     

     

    肝動脈化学塞栓療法

    6

     9

     

     

     

    化学療法用カテーテル留置(CVポート)

    50

     56

     

     

     

    緊急止血術

    5

     9

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    (2)血管外治療

     

     45

     

     

     

    胆道系

    11

     38

     

     

     

    腫瘍・嚢胞など

    16

     7

     

     

     

    (3)消化器病センター スタッフ

    ・沢井正佳(副院長、消化器病センター長、消化器内科)ら消化器内科医員

    ・田仲徹行(外科(消化器・総合)部長)ら外科医員

    ・日高輝之(放射線科部長)ら放射線科医員

    看護師、放射線技師、臨床工学技士、臨床検査部、病理検査部スタッフなど

    (4)その他

    ■2020年5月より、スパイグラスDS 胆管・膵管鏡システム(Spy Scope DSⅡ)および胆管用EHL(電気水圧衝撃波結石破砕術)装置(Autolith Touch)を導入しました。

    この装置により、胆管・膵管内に内視鏡を挿入でき観察や生検診断も行えるようになりました。また、今まで治療困難であった巨大積み上げ胆管結石症例に対しても、結石を視認した状態でEHL(電気水圧衝撃波)を用いて経口胆道鏡下結石破砕術が可能となりました。

    お問い合わせ

    南和広域医療企業団南奈良総合医療センター診療部消化器病センター