薬の豆知識
- [公開日:2023年8月17日]
- [更新日:2023年8月17日]
- ID:173
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薬の正しい使い方
薬が正しく効果を現すためには、医師の指示した用法・用量を守らなくてはなりません。
お薬の袋には飲む時間や量が書いてありますので、それにしたがって飲んでください。
自分で勝手に解釈した服用方法や使用方法では、病気の治療ができないばかりか、副作用が出たりすることもあるので注意してください。
内服薬(のみ薬)
薬の種類によって服用する時間が食前・食後・食間などと決められていますので、指示された時間を守ってお飲みください。また、お薬はコップ一杯の水またはぬるめのお湯で服用してください。お酒やジュース・牛乳で服用しますと効果が強く出過ぎたり、逆に効かなかったり、時には思わぬ副作用が現れることがあるので注意してください。錠剤をかんだり、つぶしたり、またカプセルを開封して内容物だけを服用したりすると、その薬の特性が損なわれる場合がありますのでそのままおのみください。(特性:例えば1日1回の服用でよい薬は、一度に全部溶けずに何時間もかかって溶けるように作られています。)
ただし、お薬の中にはお口の中で崩壊して水無しで飲めるものもありますので、薬剤師におたずねください。
服用時間について
- 食後 食事の約30分後まで
- 食直後 食事のすぐ後
薬の多くは、食後に飲むように指示されています。これは、胃の中に食物があると、薬で胃を荒らすことが少ないからです。また、食事という習慣に関連づけて飲み忘れを防ぐという効果もあります。
- 食前 食事の約30分前
- 食直前 食事のすぐ前
食事の前に服用すると、食後と比べて薬の吸収がよいので効きめが早く現れます。※食事に関係する薬(食欲を増す薬や吐き気止めの薬)、血糖を下げる薬などに適用されます。
- 食間(食後2時間) 食事の約2時間後
食事の後約2時間たつと、胃の中がからっぽになり、食物による影響が少なくなります。食物の影響を受けやすい薬や、胃粘膜を保護する薬などに適用されます。
- 就寝前 寝る30分くらい前までの間
- 頻服 指示のあった症状があるときだけ一時的に服用
主に「痛いとき」や「熱があるとき」、「便秘の時」などの急な症状に用いられます。
舌下錠
舌の下に薬を入れておき溶かしながら、口の粘膜から吸収させ、速く効果を得るときに使われます。かみ砕いたり、飲んだりしないでください。
トローチ
かみ砕いたり、飲んだりしないでください。ゆっくり溶かすようになめてください。
湿布剤(痛み止めの貼り薬)
湿布を貼る前には汗を良く拭いて清潔にしてから貼ってください。湿布に含まれるお薬はゆっくり吸収されるので頻繁に貼り換える必要はありません。指示された回数を守ってお使いください。
また、温める湿布は刺激が強いので入浴の30分以上前にははがしてください。かぶれやすい人はあらかじめガーゼを当てて、その上から貼るとよいでしょう。
軟膏・クリーム(塗り薬)
以前に塗った薬をきれいに洗い落としてから、新しい薬を塗るようにしてください。また、入浴後は薬の吸収が良いので、1日に1度はこの時にお薬を塗るようにすると治療効果が上がります。塗り薬は厚く塗っても全部は吸収されないので軽くすり込むように薄く塗るだけで充分です。
坐薬(座って飲む薬ではありません)
坐薬は肛門から入れる薬です。吸収が速く全身に行き渡るので速効性があります。また胃や肝臓への負担が少ないので、乳幼児やお年寄りの方、胃腸の弱い方に適したお薬です。使用時には以下の点に注意してください。
- 指示や使用回数を守ってください。
- 飲み込まないように注意しましょう。
点眼薬(目薬)
目の表面はたいへん傷つきやすく、細菌にも汚染されやすいので注意が必要です。点眼薬を使う時には以下の手順に従ってください。
- 使用の前には石けんなどで手指を洗って清潔にしましょう。
- 指で下まぶたを軽く開き、薬を1〜2滴落とします。
- しばらく目を閉じて静かにしていましょう。
- あふれた薬を清潔な布かティッシュペーパーでふき取ります。
また、次の点にも注意してください。
- 目をパチパチさせたり、点眼薬の容器の先がまつげやまぶたに触れないようにしましょう。
- 2種類以上の点眼薬を使う時には、5分くらいの間隔をあけてください。
点鼻剤(鼻に入れる噴霧剤)
鼻詰まりや鼻炎などを治療するために直接鼻腔に入れる薬です。点鼻剤を使用する時は次のような注意を守ってください。
- 使用前に鼻をかみ、手を洗ってから、鼻腔に噴霧します。
- 薬をよく行きわたらせるために、使用後2〜3分間は動かないでください。
- 口に流入した点鼻液は、飲みこまずに吐き出してください。
- 容器の先を清潔に保つために,よく拭くか消毒しておきましょう。
吸入剤
薬液を霧状にして吸入し、咽頭・気管・肺などに作用させる薬です。使用するに当たっては、以下の注意を守ってください。
- 指示された回数を守り、急に使用を中止しないでください。
- 使用前には吸入器をよく振ってください。
- 十分に息を吐き出した後で、ゆっくり吸入します。その後、呼吸を数秒間止めて、鼻からゆっくり息を吐き出します。
- 2回吸入するよう指示がある場合は、再び容器を振って、約30秒、間をあけて使うようにしましょう。
- 薬を吸入した後は、温水で口をすすいでください。また、使用した容器は清潔にして乾燥させておきましょう。
その他の注意事項
- 症状が似ていても、全く異なる病気の場合がありますので、他人の薬をもらったり、自分の薬を人にあげたりしないでください。
- 古い薬は使用しないこと。以前の病気の薬が残っていても、それを服用・使用することはやめましょう。症状が似ていても、全く異なる病気の場合があります。
- 自己判断で薬を中止することはやめましょう。自覚症状がなくなっても、まだ病気が治りきってないことがあったり、中止することで悪い症状が起きることがあるので、自己判断で服用を中止せず、必ず医師に相談してください。
ジェネリック医薬品について
ジェネリック医薬品は今まで飲まれていた薬と同じ成分・同じ効き目で低価格になっているお薬です。保険薬局の薬剤師と相談のうえ院外処方せんに書かれた薬品をジェネリック医薬品に変更することができます。
錠剤が飲めない場合には簡易懸濁…
簡易懸濁法は錠剤やカプセルが飲みにくい場合に、水に溶かして飲む方法です。
経管栄養の患者さまにもこの方法が使えます。
錠剤やカプセルを粉末状にしない場合のよいところ
- お薬の量が減ったり、品質が低下したりということが防げます。
- お薬が製品のままなので、直前までお薬の確認ができます。
- 錠剤を溶かした方がチューブの閉塞が防げる場合があります。
- 同じ薬でも、粉薬より錠剤の方が安いことが多いです。
- 粉砕する時間は非常にかかりますので、錠剤のままだと待ち時間が短縮されます。
簡易懸濁の方法
- カップに入れた約55℃の温湯5〜20ミリリットルの中に1回分の薬を入れかき混ぜる。約5〜10分間放置すると錠剤の形が崩れ、飲むことができます。
55℃の温湯の作り方…魔法瓶の湯:水道水が約2:1になるように入れると大体55℃になります。温度が高くなりすぎないように注意が必要です。
※カプセルをそのまま入れても溶けます。また、数種類の錠剤を一緒に入れても溶かしてから飲むまでの時間が短いのでほとんどの場合問題ありません。
※溶かしたら、なるべく早く飲んでください。
全てのお薬が簡易懸濁に適しているわけではありません。
あなたのお薬が簡易懸濁法に適しているかどうかは、薬剤部にお気軽におたずねください。
院外処方せん
当院では全ての外来患者さまに院外処方せんを発行しています。
処方せんをもらったらあなたの近くのかかりつけ薬局へ
「かかりつけ薬局」をまだ決めておられない方はこの機会にぜひ「かかりつけ薬局」をお決めください。「かかりつけ薬局」では患者さんごとに薬に関する情報を「薬歴簿」に記録し、複数の病院で処方されたお薬の飲み合わせや大衆薬との飲み合わせ、重複投与などをチェックすることができます。また、服薬の相談に十分時間をかけることができます。
※「かかりつけ薬局」とは、どの医療機関で処方せんをもらった場合でも、必ずそこに持って行き、薬の調剤を受けると決めた薬局のことです。
診療から薬を受け取るまでの手順
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南和広域医療企業団南奈良総合医療センター薬剤部