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あしあと

    放射線科

    • [公開日:2020年4月14日]
    • [更新日:2024年10月17日]
    • ID:114

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    概要

    診療科紹介

    CT・MRIを中心とした各種の画像診断と、画像下治療(IVR アイ・ブイ・アール)を行っています。南奈良医療センター内の全診療科のみならず近隣の開業医の先生方とも密接な連携をとり、「迅速・適切な医療に役立つ、患者さんにやさしい放射線診療」をモットーに、ひとりひとりの患者さんを大切にした診療を行います。

    医療の進歩とともに、脳神経・胸部・腹部・整形・泌尿生殖器領域など、画像診断も細分化され高い専門性が必要になっています。私たちは、奈良県立医大放射線科と画像ホットラインを設置し、高い専門性が必要とされる症例でも、即座にそれぞれの領域を得意とする画像診断専門医の判断が得られるように、遠隔画像診断システムを敷いています。

    IVRは、身体に大きな傷をつけることなく、病気の部分だけをピンポイントに治療する新しい治療法で、当科が最も力を入れています。詳しくは後に述べておりますのでご覧ください。当センター放射線科には、IVRの適応拡大と安全性・治療精度のさらなる向上を目的に、大型平面検出器のIVR装置(血管撮影装置)・2面の平面検出器を備えたバイプレーン血管撮影装置・CT装置をひとつの検査室に有機的に配置した、血管撮影IVR治療室があり、地域の皆さんに最良・最先端のIVRを提供いたします。

    対象となる症状・疾患

    画像診断

    全領域のCT・MRI、消化管・血管を含めた各種造影診断と、それらを統合した総合画像診断

    IVR

    肝がんに対するカテーテル治療やラジオ波治療、胆道閉塞に対する経皮的ドレナージと結石除去やステント留置術ならびに胆道がんに対するカテーテル治療、膵炎ならびに膵がんに対するカテーテル治療と難治性仮性のう胞や膵液漏に対する経皮的ドレナージ、腎がんに対するカテーテル治療と水腎・膿腎症に対する経皮的ドレナージ、膀胱がんや高度の血尿に対するカテーテル治療、子宮筋腫や産科・婦人科出血に対するカテーテル治療、子宮・卵巣がんに対するカテーテル治療、肺がんや喀血に対するカテーテル治療、内視鏡的治療が困難な食道・胃静脈瘤や内視鏡的止血が困難な消化管出血に対するカテーテル治療、門脈-大循環短絡に対するカテーテル治療、動・静脈奇形や動脈閉塞性疾患に対するカテーテル治療、深部静脈血栓症での下大静脈フィルター留置とフィルター回収、上腕留置式CVリザーバー留置 など

    スタッフ紹介

    医師 日高 輝之

    • 役職
      放射線科部長
      放射線部部長
    • 専門領域
      画像診断全般(特に腹部領域)、IVR全般(特に胸・腹部の腫瘍に対するIVR)
    • 資格・専門医など
      医学博士、日本医学放射線学会認定診断専門医、日本医学放射線学会研修指導者、日本IVR学会認定IVR専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医、検診マンモグラフィ読影認定医



    非常勤医師

    市橋 成夫    大島 圭祐    越智 朋子    亀田 有紗    國近 瑛樹

    佐藤 健司    太地 良佑    立入 哲也    茶之木 悠登   中井 貴大 

    西尾福 英之   松本 武士    山内 哲司    山田 彩     横田 達哉  

       

    取り組みと実績

    診療実績

    2023年度

    • CT:21537件
    • MRI:6641件
    • 消化管造影:532件
    • マンモグラフィー:886件
    • IVR:277件
    • 骨密度:1269件

    IVRのお話

    IVR(アイブイアール)とは

    難しくは、インターベンションラジオロジーといい、放射線科医が、放射線診断に用いる技術を治療に応用したのが始まりです。血管や胆管などに細かい管(カテーテル)を入れて病巣部まで誘導し、抗がん剤を注入したり各種の治療器具を留置します。

    1.IVRの特徴

    1. 低侵襲的であること、
    2. 比較的短時間で治療できること、
    3. 局所に対する治療であり全身への影響が少ないことです。

    低侵襲であることは、ご高齢の方や種々の疾患により全身の状態が健全でない方にも実施可能な利点となります。通常、IVRは少量の局所麻酔だけで行うことができます。全身麻酔を行わないために治療中も会話が可能ですので、苦痛などがあればおっしゃっていただけます。また、IVR終了直後から食事も可能です。

    比較的短時間で治療できることは、出血や体内に膿が溜まった重症感染症などの救急疾患で有効です。

    局所に対する治療で全身への影響が少ないことは、例えば“がん”であれば病巣部にだけ抗がん剤を注入するため、局所でお薬の濃度が高くなり治療効果の増強が期待でき、抗がん剤を点滴や内服で投与するのに比べて、全身の副作用が少なくなります。

    2.IVRの危険性について

    すべての医療行為には危険が伴います。IVRは低侵襲的ではありますが、また、私たちは予測される危険をできるだけ避けるように努力いたしますが、それでも危険性をゼロにすることは不可能です。IVRに伴う危険性は、それぞれの患者さんの状態や治療内容によって異なりますが共通するものとして、1.造影剤の使用に関連するもの、2.器具の操作に伴うもの、にわけてお話いたします。

    1. 造影剤の使用に伴う危険性としては、アレルギー反応によるものと腎機能への負担増加があり、CTなど造影剤を使用する検査と危険性は同じです。アレルギー反応では、じんま疹程度の軽傷から稀には死亡するほどの重篤なものまであります。アレルギー体質の方や過去に造影剤を使用して副作用があった方は必ずお知らせください。IVR治療中の気分不快などは我慢されずに早めにおっしゃってください。IVR治療室には、不測の事態に備えた救命機材を常備しております。腎機能への負担増加は、腎機能が正常な方では問題となりません。IVR前には腎機能の状態を確認しており、腎機能障害がある方は、治療前後に腎臓専門医の協力を得ています。
    2. 器具の操作に伴うものには、器具を挿入している血管や胆管などの損傷があります。血管や胆管などにやさしい慎重な操作を行っており、それでもこれらの臓器が脆弱であったり、屈曲・蛇行や狭窄が強い場合、操作により傷つけることがあります。血管を損傷すれば出血が、胆管を損傷すれば胆汁が漏れます。損傷の程度によっては別なIVRでの治療が必要となったり、稀には緊急手術が必要となることもあります。

    以上のように、IVRはうまくいけば低侵襲ですが危険性もはらんでいる事を十分にご理解いただいたうえで、治療を受けるか受けないかをご自身で決定されたのちに、同意書にご署名をいただきたいと思います。

    3.当院でよく行われる主なIVR

    当院でよく行われる主なIVRについて、簡単にご説明いたします。スペースの都合で触れていないIVRについては、担当医を通じてあるいは直接放射線科に、お気軽にお尋ねください。

    (1)肝臓がん治療
    肝臓がんに対する一般的な治療法には、手術、ラジオ波熱凝固療法などの局所焼灼術、肝動脈閉塞術があります。これらのうち私たちは手術を除く治療を行っています。いずれの治療法を選択するかは、がんの大きさや個数・存在場所などのがんに関連する因子と、患者さんの肝機能や全身状態などの患者さんに関連する因子を総合して判断します。手術が可能で容易と考えられる患者さんには手術を第一にお勧めしています。局所焼灼術は、超音波やCTで観察しながら胸やお腹の壁からがんを細い針で穿刺する治療です。一回の穿刺で治療できる範囲は3センチメートル程度ですので、がんが大きい場合や個数が多い場合には穿刺する回数も多くなります。一般的には腫瘍が3センチメートル以下で3個以下の場合が適応とされています。肝動脈塞栓術は、腫瘍の個数や大きさに関係なく治療できますが、腫瘍に流入する血液が乏しい(乏血性といい、造影CTなどで造影されない。)早期がんでは効果が弱いため適応はありません。また、肝に流入する門脈という血管の血流減少が高度であれば、動脈塞栓術の副作用が強くなるため治療しにくくなります。最近は、治療効果が増強することを期待して、動脈塞栓術と局所焼灼術の併用を行うこともあります。動脈を詰める塞栓術は、出血や腫瘍の治療として、体のいろんな臓器で行われます。たとえば、喀血では肺の動脈を、胃や腸の出血ではそれらの動脈を、血尿や腎腫瘍・膀胱腫瘍ではそれらの動脈を、子宮筋腫や不正性器出血では子宮動脈を塞栓します。また、食道や胃・腸の静脈瘤治療には、静脈瘤の塞栓や、脾動脈塞栓が有効です。肝切除前に切除される部分の門脈を塞栓すると、残る側の肝臓が肥大し、手術の安全性が増します。

    (2)リザーバー留置術
    目的とする動脈や静脈に管(カテーテル)を入れ、リザーバー(埋め込み型ポート)と呼ばれる厚いコインのようなものに接続して、皮膚の下に埋め込みます。注射の際、専用の針を用いてリザーバーを穿刺します。注射後は針を抜くだけで、止血は不要です。肝がん・子宮がん・卵巣がんなどで、繰り返し抗がん剤を局所に動脈内注入でき、高い治療効果と合併症の軽減が期待できます。また、外来での治療が可能となり、日常生活への支障も減らせます。在宅での栄養点滴や、全身化学療法では、カテーテルを中心静脈にいれ、リザーバーを肘近くの上腕に留置しています。留置の安全性が高く、入院の必要もなく1時間程度で外来で留置できます。注射の際は、腕まくりするだけで、女性や寝たきりの方にも好評です。リザーバーば正しい使用法を守ることで、半永久的に長く使うことができます。一方、使い方を誤るとせっかく入れても感染や皮膚の壊死で抜かなければならなくなります。CVリザーバーの正しい使用方法についてのパンフレットをご用意していますので、お気軽に放射線科にお申し付けください。

    (3)経皮的ドレナージとこれに類似のIVR
    体内に溜まった膿・胆汁・尿・リンパ液などが原因の病気では、放置すると敗血症などの重い感染症や、黄疸、腎不全、種々の臓器圧迫や破裂など、緊急事態につながることがあります。これらの場所を、体外から超音波やCTなどで観察しながら、細い針で穿刺し、液を体外に排除するための管をいれることで、緊急事態を避けられます。また、ここからの直接造影で精密な画像診断ができ、適切な治療につなげられます。体外から超音波やCTなどで観察しながら穿刺する類似のIVRには、1)がんか否かを精密に診断するための腫瘍生検、2)肝臓がんや腎臓がん・肺がんをラジオ波で焼き殺すラジオ波熱凝固治療、3)大きなのう胞(水の貯まった袋)をアルコールで固めるのう胞硬化術などがあります。針を刺す治療には共通して、出血の危険性があり、稀には動脈閉塞術や手術で対処が必要になります。薬の影響など血が止まりにくい人はあらかじめおっしゃってください。

    (4)金属ステント留置
    体内の管が狭くなったり詰まってしまうと、血液や胆汁などが流れなくなります。金属ステントは、詰まりの部分に留置することで、速やかに流れを回復させます。対象となる管は、動脈・静脈・門脈などの血管、胆管・気管・消化管などさまざまです。留置したステントは、基本的には回収しません(できません)。このため、正確に目的の場所に留置することが大切です。このためには病気の部位・拡がりの診断が重要で、画像診断の専門家である放射線科がステントを得意とする理由のひとつです。

    (5)末梢動脈疾患・下肢静脈血栓症
    ステント治療やフィルター留置術を循環器内科と共同で行っています。

    全国IVR症例登録事業(倫理審査委員会 承認受付番号20)

    IVR(アイ・ブイ・アール)は、画像下治療ともよばれ、超音波やCT、血管造影などの画像診断を見ながら、体の中の病気の部分を直接治療する、体に負担の少ない治療で、詳しくは放射線科のページをご覧ください。

    日本IVR学会(事務局:〒355-0063 埼玉県東松山市元宿1丁目18番4号 ファックス;0493-35-4236)では、本学会に参加する施設で行ったIVR診療(血管塞栓術、血管拡張術など)の情報を登録し、IVR診療の状況を把握し、各種疾患の診断・治療の向上に役立てる取り組みを、IVR学会症例登録として実施しております。この事業は、現在の我が国のIVR診療の現状を浮き彫りにし、基礎と臨床の種々の研究にも貢献するものと考えられます。

    当院は、この日本IVR学会による全国症例登録の趣旨に賛同し、登録事業に積極的に協力してまいります。当院でIVR診療を行いました患者さんについては、個人情報を削除した後に、診療内容をIVR学会事務局に届出いたします。但し、非同意の意思表示がなされた場合には届出をいたしません。また、後に非同意や登録の削除を申し出られました場合には登録を削除いたします。

    当院では、患者さんに安心して医療を受けていただくために、安全な医療の提供に努めるだけでなく、患者さんの個人情報の取り扱いにも万全の体制で取り組んでいます。ご不明な点などがございましたら、下記までお気軽におたずねください。

    問い合わせ先:南奈良総合医療センター 放射線科部長 日高 輝之

    外来担当医表

    詳しくは外来担当医表のページをご覧ください。

    お問い合わせ

    南和広域医療企業団南奈良総合医療センター診療部放射線科