脳神経外科
- [公開日:2021年7月5日]
- [更新日:2024年7月24日]
- ID:48
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概要
診療科紹介
診療方針
脳神経外科は、くも膜下出血・脳内出血や脳梗塞などの脳血管障害・脳卒中、脳腫瘍や脊髄腫瘍、頭部外傷に伴う頭蓋内血腫、顔面痙攣や三叉神経痛、水頭症など多くの脳神経疾患に対して手術治療・診療をおこないます。
奈良県南和地区では高齢化も進み脳卒中リスクが高くなり、脳卒中は突然発症して生命の危機や後遺症が残ることも多く、その後の生活や家族に深く関係する疾患として重要です。南奈良総合医療センター・脳神経外科では救急医療の機能を高め、特に脳卒中に力を入れて地域医療に貢献したいと考えています。脳卒中の診断・治療は進歩が著しく、発症4時間半以内の超急性期では血栓溶解療法(t-PA療法)やカテーテルを用いた脳血管内手術をおこない、また慢性期でも脳卒中再発予防に効果的な血行再建術(CEA・CASやバイパス術)を行うことで、予後の改善が期待できるようになってきました。
当院・脳神経外科の手術に際しては、術前に3D画像を詳細に作成して解析し、手術中にはナビゲーションシステムを使用し、脳神経モニターをおこないながら安全・確実に手術治療をおこなっています。
また高度専門医療に関しては、奈良県立医科大学附属病院と連携して対応いたします。
対象となる症状・疾患(こんな症状の人はご相談ください)
- 手足の麻痺(力が入らない)・しびれ
- 頭痛
- めまい
- 言語障害(言葉が出ない・呂律が回らない)
- 視力障害・複視(両目で見ると二重に見える)
- 歩行障害
- ふらつき(千鳥足・歩行時に傾く)
- 顔面の痛み・痙攣
- てんかん発作
このような症状でお困りの際は、ご気軽に脳神経外科を受診しご相談ください。
スタッフ紹介
医師名 枡井 勝也
- 役職
副院長・救急センター長・脳卒中センター長・医療安全推進室長 - 専門領域
脳血管障害・脳卒中、脳腫瘍・脊髄腫瘍、神経内視鏡手術、脳神経外科全般 - 資格・専門医など
医学博士
日本脳神経外科学会指導医・専門医
日本脳卒中の外科学会技術指導医
日本脳卒中学会認定専門医・指導医
日本神経内視鏡学会技術認定医
臨床研修指導医
奈良県立医科大学臨床教授
医師名 朴 憲秀
- 役職
脳神経外科医長 - 専門領域
脳血管障害・脳卒中、脳神経血管内治療(カテーテル手術)、三叉神経痛/顔面痙攣、脳神経外科全般 - 資格・専門医など
医学博士
日本脳神経外科学会指導医・専門医
日本脳卒中学会認定専門医
日本脳神経血管内治療学会指導医・専門医
臨床研修指導医
医師名 新居 聖佳
- 役職
脳神経外科医員 - 専門領域
脳神経外科一般 - 所属学会
日本脳神経外科学会
日本脳血管内治療学会
日本脳神経外科コングレス
医師名 至田 洋一 (救急科)
- 役職
救急科医長 - 専門領域
救急・脳神経外科一般 - 資格・専門医など
医学博士
日本脳神経外科学会指導医・専門医
救急科専門医
日本脳神経外傷学会認定指導医
日本神経内視鏡学会技術認定医
日本DMAT隊員
ISLSコーディネーター
PEMECマスターインストラクター
取り組みと実績
入院診療(急性期)
脳血管障害、脳腫瘍・脊髄腫瘍、頭部外傷などの精査・診断・加療を行います。術後も早期の離床を目指し、必要に応じてリハビリテーションへと連携していきます。
入院診療(回復期)
脳血管障害、頭部外傷、脳腫瘍などで手足の麻痺、嚥下障害、失語、高次脳機能障害などが残存している患者さんに対しては急性期が経過し安定期になりしだい回復期リハビリ病棟に転棟して頂き、より積極的なリハビリテーションをチーム医療で行い、より早い社会復帰・在宅復帰を目指していきます。
センター機能
救急センター
「へき地での救急医療」はこれまで人的な不十分さやその非効率さから極めて困難なテーマでした。当院ではこれを解決する為にICT技術を用いて、搬送患者さんの画像・データを各科専門医にリアルタイムに転送してコンサルトを行い、質の高い診断と治療計画を行える体制を構築しました。これにより急性腹症、多発外傷などの対応が可能となり、脳神経外科領域では迅速に脳卒中や頭部外傷の診断・治療そして超急性期脳梗塞にはt-PA療法をチーム医療として行うことが可能となります。またくも膜下出血には患者さんの病態に応じて速やかにクリッピング手術、血管内手術(コイリング)を行います。脳内出血には神経内視鏡を用いて小開頭の低侵襲頭蓋内血腫摘出術なども行います。
脳卒中センター
南奈良総合医療センターは24時間脳卒中の受け入れを行い、急性期治療から回復期にかけて脳卒中専門診療チームが協力し、地域に根差した医療に取り組んでいます。当院は日本脳卒中学会より2019年から一次脳卒中センター(PSC)の認定を受け、南和地区の脳卒中診療の中核として機能しています。
検診センター
発症前に病気を発見し治療することで手術の成績は格段に良くなります。脳神経外科ではMRI・MRA・頚動脈の超音波検査・血液検査など侵襲の無い検査で脳ドックを行い、未破裂脳動脈瘤や脳腫瘍の早期発見と脳梗塞発症リスクが高まっている患者さんの診断を行い、治療方針を提案します。
主な疾患とその治療法
脳血管障害
脳卒中(くも膜下出血・脳内出血・脳梗塞)は当院救急センターと連携し、迅速に診断・治療をいたします。くも膜下出血は根治性の優れた出血源の破裂動脈瘤のクリッピング術を原則に患者さんの状態・動脈瘤の位置や形状により血管内手術(カテーテルによる治療)も使い分けて安全に治療を行います。また開頭手術では術中にvideoangiographyを併用したりmicrovascular Dopplerを用いて手術の精度を上げる工夫を行います。
脳内出血では低侵襲を目指した神経内視鏡を用いた血腫摘出術も検討します。
脳梗塞は超急性期の血栓溶解療法(t-PA)や脳血管内カテーテル手術、慢性期には再発予防に血行再建術を中心に行います。
脳動脈瘤のクリッピング手術前後の血管撮影像
脳内出血の術前後CT画像例
神経内視鏡を用いて小開頭により血腫の摘出を行います。
脳腫瘍・脊髄腫瘍
腫瘍の種類(悪性度)や場所、患者さんの状態(合併症・年齢・生活、家族環境・人生観や宗教観など)総合的判断を行い、一人ひとり最適な治療を計画します。摘出手術は安全性を第一に考え、ナビゲーションシステム、神経内視鏡など最先端の手術支援システムやモニターを駆使して顕微鏡手術を行います。
また定位放射線治療や化学療法なども必要に応じて組み合わせ、治療計画を行います。
大型髄膜腫の手術治療症例 1
腫瘍は安全に全摘出されています。
手術前に3D画像を詳細に作成して、腫瘍と栄養血管などを解析し、手術中には脳神経モニターをおこないながら、ナビゲーションシステムも使用し、的確・安全に手術治療をおこなっています。
脳神経外傷
急性硬膜下血腫・急性硬膜外血腫・脳挫傷・慢性硬膜下血腫などに対して病状に合わせた迅速な加療を行います。
機能的脳神経外科
日常生活の支障になる顔面痙攣や三叉神経痛で内科的治療の効果がない場合は顕微鏡手術(マイクロサージェリー技術)を用いた手術を行います。
その他
水頭症、感染性疾患(脳膿瘍・硬膜下膿瘍など)
外来担当医表
詳しくは外来担当医表のページをご覧ください。
お問い合わせ
南和広域医療企業団南奈良総合医療センター診療部脳神経外科