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生化学・免疫検査の紹介

[2017年9月1日]

生化学・免疫検査の紹介

生化学・免疫検査は生化学的検査、免疫学的検査(免疫、内分泌検査)に分類され、患者様から採取された血液(全血、血清、血漿)や尿、体液(胸水、腹水、髄液など)に含まれる成分について検査しています。血液や尿に含まれる蛋白質、糖質、脂質、電解質などの成分は、臓器に障害があったり、障害が重くなったりすると変動するため、体の状態を把握することができます。測定方法により、蛋白質、糖質、脂質、電解質、酵素などの化学物質を測定する生化学検査、腫瘍産生抗原(腫瘍マーカー)や肝炎ウイルスなどの抗原や抗体を調べる免疫検査、抗原抗体反応を利用し血中のホルモンを測定し内分泌臓器の異常を調べる内分泌検査に分かれます。検体到着から基本項目は30分以内、一部の免疫・内分泌検査に関しては40分以内に結果を報告し緊急検査、診察前検査に対応するよう努めています。


【生化学検査】

生化学検査は、血液、尿などの体液を化学的に分析することで、診療では最も簡便で有用な情報として利用されています。分析した検査データは、栄養状態はもちろんのこと、肝臓病、腎臓病、高血圧、心臓病、糖尿病などの診断、治療効果、病態の程度や予後の判定などに用いることができます。また、自覚症状があまりないような体の変化を捉えることで、病気の早期発見にも有効です。臓器が障害を受けたとき、細胞が破壊され、その臓器特有の物質が血中や尿中に流出し基準値より増減することで病態の把握や診断を行うために、目的に合わせて検査項目を選択し総合的な判定を行います。

肝機能検査

肝臓は、トラブルを抱えてもすぐには症状があらわれにくく、知らず知らずのうちに病気が進行していくことから「沈黙の臓器」ともいわれています。肝臓の異常をいち早く発見するために血液中の肝臓と関係のある物質を調べるものが肝機能検査です。AST、ALT、γGTP、総ビリルビン、アルブミンなどの検査があります。

腎機能検査

腎臓は血液中の老廃物や不要物をろ過して、余分な水分とともに尿として体外に排出する器官です。尿素窒素、クレアチニン、尿酸は、体内でエネルギーとして使われた老廃物です。血液中に含まれるこれらの物質の値を測定し、腎機能が正常にはたらいているか調べるものが腎機能検査です。
尿素窒素(BUN)、クレアチニン、電解質などの検査があります。

脂質検査

高脂血症の診断基準となる検査です。 脂質異常症は、動脈硬化の一因となり、ほっておくと狭心症や心筋梗塞、脳梗塞や脳出血などの重大な病気を引き起こします。自覚症状がないので、多くは健康診断などの血液検査でみつかります。総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪などの検査があります。

糖尿病関連検査

糖尿病の診断やコントロール指標となる検査です。糖尿病は初期では特に症状がなく、症状が出たときは、かなり病気が進行しています。早期発見には血液検査が欠かせません。 血糖、グリコヘモグロビンA1c、グリコアルブミン、尿中アルブミンなどの検査があります。


【免疫検査】

感染症検査

自然界には動物などに寄生している微生物と、生体内や食品などヒトを取り巻く環境に自由に生存している微生物があります。微生物が宿主に侵入し、本来存在しない場所に定着して増殖することを感染とよび、何らかの臨床症状が引き起こされた状態を感染症といいます。肝炎・肝硬変・肝がんなど肝臓病の80%以上が、肝炎ウイルスの感染によるものです。血液中のウイルス抗原・抗体を調べることで、病気の状態や治療の方針を把握することができます。 HBs抗原、HBs抗体、HCV抗体、HIV抗体、梅毒抗原抗体などの検査があります。

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカーとは、癌細胞が作り出す特殊なタンパク・酵素・ホルモンなどの物質のことで、癌を見つけるためのスクリーニングや治療効果の判定として利用されます。 CEA、AFP、CA19-9、PSAなどの検査があります。

薬物濃度検査

血中濃度とは血液内に入っている薬の量(濃度)を表しています。経口で投与された薬は胃や腸で血液中に吸収され、全身に運ばれて、目的部位
で効果を発揮します。薬を処方箋通り服薬したとしても体重の増減や吸収の程度、腎臓や肝臓の働き具合によって血中濃度は変動します。血中濃度を測定することによって、薬の量が少なすぎるとか、多すぎて副作用が出現する危険があるなどを推測するのに役立ちます。
抗てんかん剤、循環器用剤、抗生物質剤などの検査があります。

自己抗体検査

抗体とは、細菌やウイルスなどの外からの異物(抗原)が体内に侵入してきたときに作られるものです。自分のからだの成分に対しては、元来抗体は作らないし、つくる必要もありません。しかし、何らかの異常によって、自己の体成分に対して抗体を作ってしまうことがあります。これが免疫反応をおこし病気を引き起こしてしまうのが、自己免疫性疾患と呼ばれる病気です。リウマチ因子などの検査があります。

血漿蛋白・補体検査

ヒト血漿中には多くの蛋白が存在し,それぞれに機能を保ちながら,個体の生命維持に重要な役割を果たしています。 プレアルブミン、フェリチン、CRP、C3、C4などの検査があります。


【内分泌検査】

内分泌(ホルモン)は特定の臓器から産生され、別の組織や器官に影響を与える物質であり、生命を維持していくための機能を調節する重要な役割を持っています。
ホルモンの量は一定に保つように調節されていますが、このバランスが崩れることで様々な症状が現れ病気の原因となります。血液などの体液中に含まれる様々なホルモンの量を測定することで、ホルモンバランスの変化を捉えることができ、病気の発見や診断に有効な検査です。

内分泌ホルモン検査

ホルモンとは体内の数多くの臓器が体の健康維持のために作っている物質の事です。内分泌腺(ホルモンを産生する細胞)で作られ、血液など体液の流れに乗って体内を循環し標的細胞(ホルモンが作用する細胞)で効果を発揮します。ホルモンの作用については未だわかっていない事も多いですが、非常に少ない量で重要な役割を果たします。
ホルモン検査とは、その微量なホルモンの血中濃度を調べる検査方法です。ホルモンは非常に微量で作用を発揮し、多くても少なくても体に影響を及ぼすため基準範囲内で調節されていることが望ましい物質です。
ホルモン検査は、内分泌異常の有無を知ることで体調不良の原因を探ることに役立ちます。甲状腺ホルモン、インスリン、コルチゾールなどの検査があります。

主な内分泌臓器とホルモン
主な内分泌臓器とホルモン

生化学・免疫統合分析装置cobas8000 702 502 602
生化学・免疫統合分析装置cobas8000 702 502 602
左図:HbA1c・GLU分析装置 ADAMS HYBRID AH8290 右図: 自動浸透圧分析装置 OM6060 

【検体分注・搬送システム】

検体前処理分注装置LabFLEX2600の導入により、検体の到着確認、開栓、分注、子検体へのラベル貼付、外部搬送までの検体前処理工程を自動化しました。
検体量不足、フィブリン検知などのエラー対策、コンタミネーション対策に配慮した、より迅速・安全な処理を実現しています。
検体前処理分注装置 LabFLEX2600
検体前処理分注装置 LabFLEX2600

【精度管理】

良質な臨床検査データを提供するため、すべての項目について内部精度管理を毎日行っており、安全で精確な検査データを提供しています。また、各種学術団体等が実施する外部調査に参加し、検査精度に対する第3者評価を継続して受けています。


外部精度管理調査

  ・日本臨床衛生検査技師会臨床検査精度管理調査

  ・奈良県臨床検査技師会臨床検査精度管理調査

  ・各分析装置メーカーサーベイ

 

正確で迅速な検査結果をお届けできるように、臨床検査部一同最善をつくしてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

組織内ジャンル

南奈良総合医療センター